Screenshot_2021-01-29 東北エリアプライス|環境市場

昨年からの寒波による電力需要の拡大と、LNGの原料不足・値上げによって、電力業界はパニック寸前です。

電力卸売り市場JEPXもそれにつられて一カ月近く高止まりして、様々な問題を起こしています。

当然ながら、電力の調達コストは上がっていますから、売りの金額も上がって当然です。

コスト高で受付停止・事業停止などの新電力も現れ、春まで予断を許しません。

 

そのため、新電力などから市場連動型メニューで契約した高・低圧の事業所・一般家庭は、契約通りに電気料金が10倍になるのではないか?と恐怖しました。

 

昨年にコロナ禍の需要不足の中でJEPXが5~6円/kwhで推移していたのに、最高エリアで250円/kwhの値がついたのですから当然そうなります。低圧で20~30円/kwh、高圧で15~20円/kwhで購入する需要家がほとんどですから、全体の1.8%の供給量でしかない市場連動型契約ですが、お客様を天国から地獄に突き落としました。

昨年に安さを享受していたのだから、自己責任だというのは営利追及の事業所ならわかりますが、電力消費から撤退できない一般家庭は大変だと思います。

今現在は、国や電力会社から緩和措置が講ぜられるようだという報道で騒ぎは沈静化していますが、このまま問題は解消されるのでしょうか?

 

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皆さんに考えて頂きたいのは、電気料金は上図や下記のように4つの要素があるからです。

基本料金+従量料金+燃料調整費+再生エネ賦課金 = 総支払電気料金

ですので、3~4月には地元の電力会社の燃料調整費はLNG価格見直しで上がってきますから、市場連動型メニュー以外の方も今回の「トラブル」の影響を受けることになります。

 

せっかく、新電力に切り替えて「基本料金と従量料金」を下げたのにお得感が無いなあ?というお客様のデータを調べると、燃料調整費は意外と上がって負担を増している場合が有ります。

税金のような全国的に決められた再生エネ賦課金とは違って、燃調費は地元旧一般電気事業者が値上げ下げしますから、それに合わせる新電力には罪は無いのですが?

以下に、昨年世界的なコロナ禍で下がってきた燃調費を紹介します。

 

 

Screenshot_2021-01-28 燃料費調整単価の推移

ところが、新電力の一部には、地元旧一般電気事業者の燃調費に連動しない「独自燃料調整費」というものを計上する会社がいくつか存在します。

 

それらは、燃料調整費は規制を受けない自由料金だから、自分たちの調達傾向に従って決めればよいということになります。

実はこれは大変な問題です。

通常の新電力は、基本料金と従量料金の値下げを競争し、燃調費は地元旧一般電気事業者連動にしています。

それは、金額算定が信用を得やすいことと、お客様が比較がしやすいということです。

それから外れているということは、どういうことでしょうか?

極端なことを言えば、見積もりで基本料金と従量料金をしっかり下げてPRし契約してもらうのに、契約後に燃調費を値上げすれば元が取れてしまうということになります。

 

一部の経済紙では、独自燃料調整費制度は分かりづらいから、行政指導で是正すべきと論調をはっています。

弊社も、自治体の方から電力入札の助言を求められる場合は、独自燃料調整費の小売り電気事業者は、排除すべきだと主張しています。入札後に価格変動されたら困りますし、入札の意味が有りません。

本来は新電力はJEPX頼みの調達をするのではなく、自前で発電所を建てたり、太陽光発電事業所(一般家庭含む)や火力・水力自家発事業者を探して電力を調達する努力が必要です。

そうすれば、原価を一定に抑えられますし、計画的な販売を可能にします。

その努力をしなくて、独自燃調費を設定・請求できるということは、自分らの調達責任をお客様になすりつけることになります。

 

それらの新電力は、春ではなく1月からでも独自燃調費を値上げして、お客様に請求するでしょう。

10倍では、さすがにお客様は気が付きますから、値下げ分を取り返して地元旧一般電気事業者並みに価格を戻したりしてもお客様は気が付かない可能性が有ります。

基本料金・従量料金単価は、震災や世界狂乱原油高・自己調達の失敗などの時は、旧一般電気事業者やしっかりした新電力でも値上げをせざるを得ませんから、契約書・約款にはそのような記載があります。そうなれば、利益が減ったり、再契約に失敗して安い新電力へ顧客が流出したりしますから、値上げは嫌なことなのです。

ところが、燃調費の値上げはひそかに堂々と、お客様も気が付かず「こっそり」感が漂います。本当にこのまま野放しで良いのでしょうか?

弊社もそのような請求書を発見してお客様に指摘しましたが、全く初耳だったそうです。JEPXが毎年値上がりする夏以降に独自燃調費が上がっていました・・・・。

 

弊社が把握している範囲でのそのような新電力・商品名は、
「ハルエネ」「エフエネ」「リミックスポイント」「おトクでんき」「ゼロからでんき」「グリーンピープルズパワー」
などで、中には上限を決めて高騰しないようなものも有ります。
需要家数としても、市場連動型メニューの方より数倍多いと思います。

ですので、それらの契約者は1月から請求明細内容をしっかり確認下さい。

 

また、それらの法人で反論の有る方は、どうぞご連絡ください。

お話によっては訂正して削除します。